スクラムガイド輪読会で捕捉したりしてること
この記事はコネヒトアドベントカレンダー22日目の記事です。
スクラムガイド輪読会をこれまで社内で何度となくやってきて、スクラムガイドを読み進める上で各章のポイントや捕捉していることについてまとめてみました。
スクラムガイドを読んでもなんだかちょっとわかんないなというスクラム初心者のかたなどの助けになると幸いです。
わたしは認定スクラムマスターではありますが2日研修受けてテスト通ったくらいのあれなのと、 個人的な見解も含んでますので、 もしここ間違ってるよみたいなところがもしあれば教えていただけると幸いです。
また、ここに書いてあることだけ読んでもなんだこれって感じだと思いますので、スクラムガイド2020年版の該当章読んでそれからみていただけるとよいかなと思っております。
スクラムの定義のところ
スクラムはフレームワークかつ、意図的に不完全にしてあるのでこの通りにやればうまくいくわけではないです。 スクラムはまずは書いてある通りに試してみて、そこから自分たちにあった形に変えていくとよいです。
スクラムの理論のところ
スクラムの三本柱のところが一番重要なポイントで、ここだけは覚えておきましょう。 スクラムのイベントはスクラムの三本柱を実現するための手段なので、スクラムイベントをやることではなくこの3本柱を意識して、各イベントをすることが目的にならないように注意しましょう。
スクラムの価値基準のところ
スクラムを成功させるには各メンバーが5つの価値基準を実践できるかがポイントです。 例えば確約ができないと各スプリントでゴール達成できないですし、公開がされないと透明化されないので検査ができなくなってしまいます。 価値基準の実践に対して前向きになれない問題があればまずそれを対処していく必要があるかなと思います。
スクラムチームのところ
スクラムマスターが名前的にリーダーっぽいので勘違いする場合もありますが、スクラムマスターがやることを指示したり決めるのではなくスクラムチームが誰がなにをいつどのようにやるかを決定します。 ただ、全員スクラムはじめてで進め方全然わからんみたいなケースだとスクラムマスターの介入度は高くなるケースもあるかもですが、それはそれでOKでその状態をずっと続けず本来のあるべき姿に近づけていくと良いかなと思います。
スクラムイベント
スプリントのところ
スクラムの期間は一ヶ月以内と書いてありますが、最初のうちは短めにしておいたほうがよいと思います。最初のうちは失敗することも多いと思うので、スプリントが短いほうがより早く学びのサイクルをまわせます。はじめのうちは1週間とかでやってみるとよいのではと思っています。「決まった長さで」ってかいてあるから短いとダメなのではとつっこみがあるかもしれませんが、ずっと同じ期間でやらなければならないってわけではないと思っています。なぜ決まった長さとしているかは、スプリントの間隔がバラバラだと、スプリントの見積りで前回のベロシティが参考にならなかったり、毎スプリントで「今回のスプリントの長さどうする?」という余計な議論が必要になってくるなどがあるからかなと思うのです。なのでちゃんとした目的や必要性があればスプリントの期間をかえることは間違いではないと思います。いつもは2週間スプリントだけど、これからのプロダクトゴールは1週間でやったほうが短いスパンで改善サイクルを回してより不確実なことに対応できるみたいなケースもあるかもしれません。思考停止してルールに従うことは危険なので注意してください。
スプリントプランニングのところ
アジャイルだと計画たてないと思っている人もいますが、スプリント内の計画はちゃんと立てます。長期の計画は不確実性が高いので雑に見積りますが、スプリントは短いのである程度予測がたてられるはずです。 それを適当にやってしまうと妥当なスプリントゴールが立てられないので、スプリントゴールが目標として機能しなくなります。ゴールがゆるすぎるとそれにあわせてチームのパフォーマンスは落ちますし、ゴールがきつすぎると達成しないのが当たり前になる恐れがあります。 スプリントの計画をスプリントプランニングできちんとたてるには、プロダクトバックログを小さな作業アイテムに分割できるレベルに準備しておく必要があります。これはプロダクトバックログリファインメントを通してやっていきます。
デイリースクラムのところ
デイリースクラムは開発者のためのイベントです。プロダクトオーナーやスクラムマスターへのデイリー進捗共有会ではありません。 スプリントは短く予測性は高いとはいえ、うまく進まないことが発生するのが常です。それに対して日々チームでどう対処していくか検討する場です。 問題が発生した場合は次のデイリースクラムで話そうと問題解決を先送りしないでください。デイリースクラムが唯一のコミュニケーションの場ではないので、開発者は一日を通して頻繁に話し合ってください。
スプリントレビューのところ
ステークホルダーへの成果物のプレゼンや報告会ではありません。成果物を検査して、今後どうしていくかを決める場です。
スプリントレトロスペクティブのところ
スプリント内で問題や課題を見つけてもスプリントレトロスペクティブまで先送りしないでください。その場やデイリースクラムでチームに共有しましょう。 たくさんやりたい改善がでるかもしれませんが、最初のうちは一番重要なものに絞ってそれを確実にやりきりましょう。他の問題は放置するわけではなく、重要な問題であれば再度スプリントレトロスペクティブで問題として浮上してくるはずです。 スプリントレトロスペクティブで全然課題がでてこない場合は、透明性や検査ができていない可能性があるので、そのあたりに課題がないかチェックしてみるとよいです。
スクラムの成果物
プロダクトバックログのところ
スプリントプランニングのところでも説明しましたが、プロダクトバックログの優先順位が高いものはスプリントプランニングできる状態に準備しておく必要があります。
プロダクトゴールはプロダクトバックログ単体だとこれなんのためにやってるんだっけみたいなことになるのを防ぐためのものと思っておくとわかりやすいかもです。プロダクトバックログを作る際も、これやることでプロダクトゴール達成できるんだっけ?みたいな視点を持つことも重要です。
スプリントバックログのところ
スプリントバックログは一日以内で終わる単位くらいのサイズにしておく必要があります。小さいスプリントバックログであれば前日と比べてなにかしら動きが発生するはずなのでデイリースクラムでその動きをみることで検査ができますが、大きいスプロントバックログだと前日と動きがなかった場合それが普通なのか異常なのかの検査が簡単ではありません。
インクリメントのところ
インクリメントってあまりしっくりこないワードだと思いますが、ユーザーにとって価値のあるリリース可能な機能や機能改善といった感じです。 リリース可能とは完成の定義を満たしていることです。完成の定義が曖昧だと開発者はここまでやれば完成だと思っていたがプロダクトオーナーの認識は違っていたみたいなことが起こりリリースできる状態になかったみたいなことが起こる可能性があります。
最後に
スクラムガイドは何年かに一回内容がアップデートされているので、改定されたら目を通すことをおすすめします。
最後に一番気をつけてほしいことはスクラムガイドに書いてあることを守ることが第一ではないということです。スクラムガイドであってスクラムルールではありません。思考停止してガイドや本に書いてあることに従うのではなく、どういう目的でやっているかということを忘れないでほしいです。スクラムをすることが目的にならないように注意してください。